原川ボス 今月のコラム

2025年07月30日

季節の変化、まちの変化

7月4日、東海地方は梅雨明けを迎えました。
平年より15日早く、昨年より14日早いという、
統計開始以来3位タイの早さだったそうです。
今年も、平年より気温が高い傾向にあるようですね。
すでに猛暑日のニュースが続いています。
皆さま、水分補給や涼しい環境の確保に気を配り、
体調には十分気をつけてお過ごしください。

今年は、セミの声があまり響いていない気がしませんか。どうやら猛暑や環境の変化の影響で、羽化の時期が遅れたようです。セミの鳴き声が聞こえないと、季節の移り変わりがどこか曖昧に感じられますね。とはいえ、気温はすでに真夏並み。なんだか少しチグハグな、そんな夏の始まりです。
さて、今号のテーマは「仕事の変化、街の変化」です。まずは仕事について。新築戸建て住宅向けの建材市場は、昨年よりはやや回復傾向が見られますが、依然として厳しい状況が続いています。毎年住宅の着工数そのものが減り続けている中で、今年度に関して言えば、4号特例改正による建築基準の厳格化が大きな影響を与えているようです。この改正は4月から適用されたため、駆け込み需要が見込まれていた3月を過ぎて、近頃その影響が現れてきているところです。ただ、弊社では駆け込みによる顕著な動きは少なかったため、今のところ大きな変化は感じていません。
このコラムでも以前からお伝えしていますが、これからは住宅だけでなく、店舗や工場、倉庫などの「非住宅」分野への対応が重要になってきます。市場はすでに成熟していて参入は容易ではありませんが、設備投資が盛んな分野なので、可能性は十分にあると考えています。いろいろな課題はありますが、機会を見つけながら進んでいけたらと思っています。
次に、浜松を外側から見て感じたことについて。先月は、静岡市へ2度足を運ぶ機会がありました。静岡駅周辺はにぎやかな商店街が広がり、日暮れを過ぎても多くの学生や家族連れが行き交い、浜松とはまた違った街の表情を感じました。浜松は製造業の根づいた都市であること、静岡市は官公庁が集まる都市であること。この差が大きいような気がします。
しかし、これから浜松駅周辺も、変化していくかもしれません。というのも、スズキが駅南エリアに約6000平方メートルの土地を取得したり、常葉大学が同じく駅南エリアに新キャンパスへの移転を予定していたりと、新たな人の流れが生まれる兆しが見えてきたからです。若い世代が増えると、街の景色もぐっと変わっていくように思います。今後の展開が楽しみです。
最後になりますが、6月下旬には大阪万博に行ってきました。仕事で関わりのある方々とともに向かったのは、国連のパビリオンです。国際連合創設80周年を記念し、「人類は団結したとき最も強くなる(United for a Better Future)」をテーマに構成されており、国連の活動やSDGsを親しみやすく伝える展示が印象的でした。会場を歩いていたら、前回万博を訪れた時の記憶がふとよみがえり、懐かしくなりました。今回は外国からの来場者がとても多く、円安の影響やインバウンド需要の高まりなど、時代の動きを肌で感じる機会にもなりました。会期中に、もう一度個人でも訪れてみたいと思っています。
仕事や旅で一時的に日常を離れると、あらためて自分が暮らす浜松のことを考えるきっかけになります。仕事だけでなく、街の変化にも目をこらしながら、これからもしなやかに前へ進んでいきたいと思います。
(2025年7月7日 記)

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2025年05月30日

浜松まつりと近況

浜松まつり一色だったゴールデンウィークが終わり、
日常が戻ってきました。
少し前まで長袖を着ていたのに、
今はもう半袖じゃないと過ごせないぐらいの陽気。
5月とは思えない気候が続いています。
寒暖差疲労が心配な時期だけに、
体調管理に注意して過ごしたいですね。

さて、今回のテーマは「浜松まつりと近況」です。
まずは浜松まつりのことからお伝えします。今年の来場者数は3日間で約250万人。昨年度より4万人増え、嵐の松本潤さんが参加した2023年に次いで過去2番目に多い人数でした。天候に恵まれたことや、市中心部会場のイベントの時間を昨年よりも延長したことなどが、来場者数増加の理由だと言われています。加えて、近頃の物価高によりレジャー費を抑えたい人たちが、遠出するよりも近場のイベントを選んだ、ということも理由であるようです。
浜松まつりは長い年月の間にさまざまな変更が為されてきました。古き良き時代から参加してきた身からすると、御殿屋台引き回しの開始時間は、もっと遅くした方が観光客に喜ばれるのではないかと思っています。御殿屋台は華やかな装飾が施された、豪華絢爛さが見ものです。太陽の光の下でも十分見ごたえがありますが、ライトアップした御殿屋台こそ「見に来てよかった」と感動していただけるものだと思います。いろいろな規制や条件などを踏まえて決定した開始時間だということは理解できるのですが、個人的には完全に日が暮れてからスタートできたらいいのになぁ、と思ってしまうのです。来年はどうなるでしょうか……。
さて、次に最近の仕事関連の動向について。以前お伝えしたように4月から「4号特例」が縮小されました。「4号特例」とは簡単に言うと一般的な木造2階建ての住宅の建築確認申請を免除することです。この特例が廃止となると、建築事業者の負担が増える上に、完成までの日数が従来よりも長くなってしまう可能性が高いので、なんとか2024年度中(3月末まで)に着工すべく、駆け込み需要がありました。しかし、そんな駆け込み需要も、昔に比べるとそれほどの忙しさでもなく……。住宅価格上昇は止まらず、今年も新築戸建て住宅の着工数は伸び悩みそうです。
現在も、マイホームを持つことを迷っているご家庭は多いと思いますが、そんな中でも家づくりのトレンドや動向のチェックは続けていただきたいです。というのも、限りある予算の中で、自分たちの希望が叶う家をつくるためには最新の情報を集めることが不可欠だからです。
たとえば、一説によると、近年の家づくりのトレンドは「省エネ」です。「断熱性や気密性に優れていること」、「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」などを実現することで、建築時のコストは高くなっても、住んでからのランニングコストは抑えられるので、生涯暮らす家として見ると安く済むこともあり得ます。たとえ迷う時間が長くなっても、その分多くの情報を得られるので、じっくりと理想の家づくりを進められる、と考えることもできます。
どんなことであっても、視点を変えれば逆風が追い風に感じるかもしれませんね。弊社も、いろいろな事態を想定しながら、荒波を乗り越えていきたいものです。
(2025年5月8日 記) 

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2025年03月28日

新しい物事

早いもので3月。今年度が終わろうとしています。
今年も花粉の飛散量がものすごいですね。
皆さん、対策は万全でしょうか。
毎年3月は年度末の慌ただしさと
新年度に向けた準備で、めまぐるしい日々だと思います。
万全の態勢で4月を迎えるためにも、
体調を整えて元気に過ごしましょう。

さて、今回のテーマは「新しい物事」です。
日本でもすっかり浸透したSDGs(持続可能な開発目標)。サステナブルという言葉もよく耳にするようになりましたが、建材業界にもサステナブルの波がきているのをご存じですか。それがサステナブル建材です。環境への負荷が小さな建材やリサイクル可能な建材、自然素材を積極的に使っている建材などのことで、注目を集めています。とはいえ、当社ではまだ実際に取り扱ったことはないのですが……。
サステナブル建材はメリットがある反面、従来の建材よりも高額な場合が多いので、現時点では戸建て住宅で使われることは少ないかもしれません。量産型の建材よりもコストがかかりますし、素材によっては設計や施工に専門知識が必要になることもあるそうです。現在は企業が社屋や工場などの建設の際にサステナブル建材を使うことでSDGsへの取り組みをかたちにして、企業のイメージアップにつなげるケースが多いといわれています。
ただ、紙製品やペットボトルなどのリサイクルが進んでいるように、サステナブル建材も多く使われるようになればコストが下がっていく可能性があります。だんだんと安くなっていけば戸建て住宅でも積極的に使われるようになるかもしれません。建材の種類によっては耐用年数が長い、メンテナンスの手間がかからないなどのメリットもあります。サステナブル建材が周知されれば、人気が出ることも考えられます。
さて、周知といえば、来たる4月から始まる「4号特例の縮小化」です。前号でも触れたように、建築基準法が改正されることで、建築確認申請の流れが大きく変わります。4号特例が導入されたのは1983年。建築確認手続きの簡素化によって住宅建設を促進することを目的として機能してきました。しかし、4月からこの特例を縮小化。一般的な戸建て住宅を建てる際に必要な手続きや必要書類が大きく変更されます。これまでよりも時間に余裕をもたせた施工スケジュールになると思いますので、ご承知おきください。
今回も徒然に綴りましたが、年度の切り替わる時期は、毎年さまざまな変化を感じます。新制度や新製品など、新たな物事にうろたえることなく、しっかりと理解して使いこなしていきたいものです。
(2025年3月7日 記)

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